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机上の空論

ポケ擬人と日常つらつら語るブログ 狐笛

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ズルイ人(ねじまき企画)

※終了したねじまき企画様の終了後の妄想SSになります。
奏出さん宅のゼロットさんが好き過ぎる結果です。
白ゼロどころかレーゼロ臭いです。趣味ですスイマセン。
ゼロットさん大好きです(大事なことなのでry
シリアスです。
超自己満足です。
何やら爆弾発言もあるけれど超自己満足です。
それでも良いかた、理解ある方、続きからどうぞ


「気分はどうだい?」

病院の中の一つの病室にその男の声は響いた。
その男の姿を見て、そのキカイが少ししか無い部屋のベットの上で座っている彼女は眉を顰めた
彼女はアンチメカニカルの組員の一人だった人で
彼はセキュリティアの社長で
本来ならば敵対する関係の二人

だが、彼…レークはとある事件の後、
彼女…ゼロットの入院を知ってから暇があれば病室を訪れていた。
だが、ゼロットはレークを邪険に追い返すことはできなかった。
理由は、ゼロットがずっと待っているとある彼の情報をレークが持っているからだった

「今日はプリンを持って来たんだ、一緒に食べよう」
「あら、おにぎりじゃないのね」

「珍しい」と一言付け加えれば、
「おにぎりもあるぞ」とさも当たり前のようにプリンと一緒に取り出した姿を見て
ゼロットは溜息をついた。

「今日買ってきたプリンは一日50個限定でなかなか手に入らなくてな
 俺も朝から並んでようやく…」
「そんなことより」

プリンに関する話を遮る。
このやり取りはレークが病室を訪れる度に行っているものだ


「白凰は…どうしてるの?」


いつも、いつも答えをはぐらかされ、逃げられ
結局答えてくれない
だけど、今日は違った。
ケーキ屋の紙袋に入ったプリンを取り出そうとしたレークの手が止まっていた。

いつもと違う様子に期待を抱くのは仕方のない事だろう
だが、その態度に聞くのが怖いという感情も浮かび上がる。

決意を決めたのか、レークは一息吐き、無理矢理作ったような笑顔で
プリンとスプーンをゼロットに渡す。
ちなみにレーク本人はラップに包まれたおにぎりを手に持っている。


「白凰は、死んだ。」


たった一言だった。その一言がとても大きく響いた気がした。


「…え?」


ゼロットのその一言を出すのに時間は掛からなかったかもしれないが、
それで、ようやく出た声は出すのに酷く時間が掛かったように思えた。
周りの音が消えた気もした。
手から落ちて床に叩きつけられたプリンの音もスプーンの落ちた音も聞こえなかった。


レークが何を言ったのか、ゼロットにはすぐに理解できなかった。


「正しく言うと、キミの知っている白凰が一人死んだんだ。」


またややこしい事を言われ、混乱するゼロットにレークは簡単に説明した。


なんでも、例の事件の時に、レークと出会い、
その時にセキュリティアの社員に撃たれ、その傷によって長い事意識不明だった
それを保護し、この病院の集中治療室で治療をしていたという
そしてようやく目が覚めた時にはアンチメカニカルの組員に入った時の記憶から失くしていたという
それはつまり、ゼロットと再開した時から今までの記憶を失くしたという事を示す。
今はもうこの病院にはおらず、別の場所でゆっくりと療養中だと説明された。


「とりあえず、怪我に付いては仕事の関係で襲われたと嘘の説明をした。」


白凰の仕事はホストだ、女性との関係で襲われたと嘘をついたというが
レークは嘘をつくのが苦手なタイプだ、きっとバレている事だろう。

だが、今気になるのは同じ病院にいたという事と
そして、記憶を失くしたという事


「…白凰が記憶を失くした理由は分からないが、だが、アイツが怪我をし、
 記憶を失くすのにまで至った理由も原因も俺にある…
 俺が憎いか?」


ずっと一緒にいてずっと支えてくれた幼馴染を傷つけたという彼
困惑の次に浮かび上がるのは憎しみなのは必然だった。


だが、ゼロットは何も言えなかった。


ゆっくりとレークが立ち上がる。
手に持っていたおにぎりは机の上に置かれていた。


「ついて来なさい。」


そう言われ、ゼロットは何も考えず、ただ言われた通りにレークの後をついて行った。

 

ゆっくりと歩くレークの後をついて行き、辿りついた場所はとても静かで
硬い透明なプラスチックのような窓のある部屋
その窓の向こうには女性が一人、キカイに囲まれ眠っている


「あれは、俺の婚約者だ。
 本当は彼女がセキュリティアの社長で、俺はその補佐役のはずだった。」

いきなり語られる真実に驚きながらもレークの話に耳を傾ける

「セキュリティアを立ち上げる際、彼女はアンチメカニカルに襲われ
 それからそのまま意識不明のままで眠っている。
 もし、キミが俺を憎み、復讐を望むのなら彼女の病室のキカイを破壊すればいい。」


キミは触れるだけで壊してしまうのだろう?と言われて、否定はできなかった。
ゼロットはレークを見るわけも無く
窓に手を付き、機械の音が響く病室で眠る女性を見つめた。


「アナタって、本当にズルイ……」


そう呟いて、ゼロットの頬を一粒の涙が伝った。

 

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